インタビュー

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「長年通われていた患者さんを、これからも支えたい」という想いが訪問診療や通所リハビリをはじめた理由でした。

開院してから何年も経つと、必然的に患者さんも年齢を重ねていきます。ご家族の付き添いがないと、通院が難しくなる方も増えてきました。今まで、通われていた方たちのためにも、何かできることをしていきたいという思いから、介護事業にも力をいれています。

診療体制はどのような形ですか?

「北川整形外科クリニック」は、もともと主人の北川 修が立ち上げたもので、2016年に主人が亡くなるまでは、ずっと私と2人で診療をしてきました。主人が亡くなっても、患者さまはいらっしゃいますからクリニックを開けなければいけませんので、整形外科の先生をお呼びして診察していただいておりました。

現在はなんとか落ち着き、JR大阪鉄道病院で整形外科部長を務めてこられた後藤一平先生を顧問に迎え、現在は曜日ごとに複数の先生に来ていただいています。日本整形外科学会認定の整形外科専門医の資格を持ち、さらにスポーツや外傷、関節、リハビリテーションなど、それぞれ専門性を持った先生方であるだけではなく、みなさん心が大きく温かい方ばかりです。

私は朝から晩まで毎日おりますので、私がすべての患者さまの症状を把握し、何かあればすぐに先生方と相談してながら連携を取るようにしています。

訪問診療を始められたきっかけはなんでしょうか?

クリニックが開院したのが1995年で、そのころから通われている患者さまが90歳代になり、通院するのが難しくなって治療ができず、ご家族の負担も大きくなっているようでした。自宅で転倒して骨折してしまうことも多くあり、悪循環になってしまっていて、どうすればお役に立てるかなと考えて、訪問診療を始めたんです。

ゆっくりではありますが、一人でトイレや入浴ができる方もいらっしゃいますので、私たちが自宅に伺って治療することで、少しでも痛みをやわらげて動く手助けができればと思います。遠方の方はもちろん、暑い時期、雨の日などにご自宅にお伺いしたときには、とくに喜んでいただけているようです。通院をするのが難しいときは、いつでも頼みにしていただけたらと思います。

訪問診療ではどのような患者さまを診療しているのでしょうか?

高齢で通えなくなってしまった方はもちろん、圧迫骨折で痛みがあって一時的に通院できないという方に対しても、カルシウムのお注射といった骨粗しょう症の治療をおこなっています。訪問診療は基本的に再診の方を対象にしていますが、初めてでも自宅で診てほしいという方は一度クリニックにお越しいただいて、レントゲンなどの検査をしてからご相談させていただいております。

訪問診療の際には、整形外科だけではなく眼科も診療できますので、「白内障の手術をしたばかりで定期的に見てほしい」、「緑内障の点眼薬を切れそうだからお願いしたい」というご要望にもお応えできます。眼圧の測定や眼底検査も、訪問診療で可能です。

通所リハビリテーション施設は、どのような場所になってほしいですか?

当院の3階にある通所リハビリテーション施設は、シニアフィットネスの要素を取り入れたデイケアサービスで、リハビリに重点を置いています。フィットネスジムに通うような感覚で、毎日の生活の中に取り入れていただけたらと思います。

リハビリに特化させている理由としては、「いつまでもご自分の足で歩きたい」というみなさまの願いをかなえるためです。当院では整形外科医師監修のもと、利用者さま一人ひとりにあわせたリハビリテーションプログラムを用意いたします。寝たきり生活を予防するためにも、楽しみながら運動して、健康長寿を目指してほしいですね。

今後力を入れていきたいことはなんですか?

当院は60歳以上の患者さまも多く、高齢になるとご自宅で転倒してしまったり、気づかないうちに背骨が折れている「いつのまにか骨折」であったり、骨の健康の大切さというものを考えさせられます。骨折して寝たきりになってしまうケースも多いから、骨粗しょう症の予防と治療にはとくに力を入れて診療をしていきたいと考えています。また、主人の代から肩やひざの関節内注射をおこなっていたのですが、「お注射をしていただくと、次に来るときまで元気に過ごせる」とおっしゃっていただくことも多く、これからも続けていきたいです。

当院でも通所リハビリテーション施設や訪問診療を始めましたが、時代が高齢化ですし、今後さらに制度が変わってくると思います。患者さま・利用者さまの喜ぶ顔をもっと見られるように、クリニックとしてできることをこれからも考えていきたいと思います。